いまのわたしにできること

新人看護師も知っておくべき!医療事故の本当の怖さとインシデント対策は?

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インシデント報告って、本当に憂鬱ですよね。

どうしよう…ミスしちゃった!怒られる!

って、とっさに考えてしまったり。

 

私も新人の時に針刺し事故を起こしてしまったのですが、報告を後回しにしてしまい、師長さんに怒られた記憶があります… 

  • 内服自己管理の患者さんが、自分で薬を飲み間違えた
  • ナースコールを押さずに動いて、1人で転倒してしまった

このような防ぎようもない事故ですら、すぐに報告・直ちに対処!みたいな感じがあって、ちょっとやりすぎなんじゃないかと思ったりもするかもしれません。

 

でも、実は医療の現場でちょっとした事故やミスを、すぐに報告・対処していくように厳しく指導されるのには、こんなこわーい理由があったんです。

 

この記事では私Yukiが、身近で体験した医療事故の事例をご紹介しながら、医療事故の本当の怖さをお話していきたいと思います。

 

これを読んでまた気持ちを引き締めて、日々の仕事に励んでもらえたらなと思います。

 

  

医療事故とは

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まず、簡単に医療事故とはどういうものなのか?について、まとめてみました。

 

あなたは医療事故が年間で何件くらい発生しているのか、知っていますか?

 

医療事故の定義

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医療事故の定義は、医療法と厚生労働省でそれぞれ定義されており、医療の現場で起こった人身事故のすべてを言います。

 

医療者が予測できたかどうかや、間違ったことをしたのかどうかは関係なく、たとえ不測の事態であっても、行った医療行為が原因で起こった事故はすべてです。

 

なので、アレルギーがあるか分からない薬を使って、アナフィラキシーショックが起きてしまったという場合も医療事故となります。

 

病院内で患者さんが一人で歩いていて転倒したという場合も、病院外であれば自己責任となりますが、入院中の患者さんの安全を守る責務が私たち医療者にはあるので、病院側の責任となります。

 

その代わり、患者さんは安全を守るため、医療者の指示には必ず従うという義務もあります。

 

従って、1人で歩ける患者さんが1人で転んでも自己責任だよね、では済まされないのです。

 

医療事故の年間発生件数はどれくらい?

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日本医療機能評価機構が出している医療事故発生件数は、2017年の1年間で4095件で、前の年より213件増えています。

 

2017年の10月から12月の間だけでも、患者さんが死亡、もしくは重篤な状態になった事故の報告が30件もありました。

 

また、事故を起こした人の6割以上が、職場に配属されて3年未満の医療者でした。

3年未満の医療者の医療事故が多いのか…気をつけなきゃ!

参考文献:

医療事故調査支援センター平成29年年報

日本農村医学会学術総会抄録集より新人看護師の起こしやすいミスと安全教育の試み

 

私の身近で起きた医療事故の事例

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私が以前、勤めていた病院での出来事です。

 

私が所属している病棟ではない病棟で起きたことなので、詳細までは分かりません。

 

その患者さんは循環器の疾患で入院中でした。

 

しかし、循環器の病棟が空いてなかったので、別の科の病棟に入院していました。

 

とある日、先生が点滴のオーダーを出しました。

 

補液をするときに使うような点滴に、KCLというカリウムの薬剤です。

 

これは通常、点滴に混注して薄めた状態で、ゆっくり点滴していくお薬です。

 

カリウム製剤は間違っても、静脈注射で一気に投与してはいけない薬です。

 

先生は、当然希釈して使ってくれるだろうと思い、薬剤だけのオーダーをして、投与方法を明確に指示しませんでした。

 

指示を受けた看護師も希釈して投与するんだろうなと思い、指示を受け、担当看護師に伝えたそうですが、その時も具体的な投与方法は伝えていなかったそうです。

 

担当看護師はまだ1年目。

 

しかも、いつも関わっている専門の科の患者さんではないわけです。

 

そのKCLというお薬は、専用の注射器に薬液が入っている形のもので、そのシリンジに専用の注射針を接続し、ボトルに混注するという形状でした。

 

パッケージにもワンショット禁止と注意喚起がしてあります。

 

しかし、それを見落とした1年目看護師。

 

初めての薬なのに調べる余裕がなかったのか、突然の点滴オーダーに焦ってしまったのか、そのシリンジを三方活栓の接続部に無理やり接続し、注入してしまったそうです。

 

患者さんは急変し、一時はICUにも入るくらい重篤な状態になりましたが、先生たちの必死の治療でどうにか元気になり、退院することが出来ました。

 

しかし、結局その新人看護師は、看護師を続ける自信を無くしてしまい、1年未満で退職してしまいました。

 

医療事故の本当の怖さとは?

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ミスをすると、上司への報告で怒られるんじゃないかと思ったり、病棟会でつるし上げのように発表され、質問攻めにされ、非難されているような気持ちになったり。

 

患者さんに申し訳ないという気持ちとともに、すごく憂鬱になりますよね。

なんで確認しなかったの?

なんでこういう行動をとったの?

しかし、何かミスをするということの本当の怖さは、上司に怒られることでも、病棟会でつるし上げのように発表されることでもありません。

 

「自分のちょっとした確認不足だったり、思い込みだったり、一瞬の気のゆるみが患者さんの命に直結する」というのが一番の怖さです。

 

ご紹介した事例のように「自分はまだ新人で、この薬が希釈しなければならない薬だと知りませんでした」では済まされません。

 

もしも、この患者さんが亡くなってしまっていたら「業務上過失致死」という立派な罪に問われていたかもしれません。

 

たしかに、この新人看護師さん一人の責任ではないと思います。

 

医師の指示だって完全なものではなかったし、リーダー看護師の指示の伝え方だって、不十分です。

 

それでも、最終的にその薬を投与したのがあなたなら、その責任は重大なのです。

 

取り返しのつかないことをしてからでは、遅いのです。

 

そして、自分自身も深く心の傷を負うことになると思います。

 

実際、この新人看護師さんも看護師免許はあっても、怖くて看護師という仕事を続けることが出来なくなってしまいました。

 

新人看護師によくありがちなミス(インシデント)

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ここまで怖い話ばかりでしたが、ではそんな恐ろしい事態にならないためにはどうしたらいいでしょうか?

 

まずは、新人看護師が起こすインシデントの「傾向と対策」を知りましょう。

 

新人看護師に圧倒的に多いインシデントは薬剤に関するもの

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新人看護師が最もミスをしやすい場面は、内服薬の与薬や末梢静脈点滴の投与です。

 

確認作業の不足もあるでしょうし、薬剤そのものに対する知識の浅さからもミスを引き起こしやすい場面といえます。

 

内容としては「無投与」「与薬時間の間違い」「与薬方法の間違い」が多いようです。

 

新人看護師のミスの要因は経験不足から来るものが多い

新人ですから、経験が少ないのは仕方がないことですが「知識不足」「緊張していた」「他のことに気を取られていた」など、経験不足からくると思われる要因が、多く見受けられます。

 

薬剤を取り扱う時は、気持ちを落ち着けて集中することが必要ですね!

 

新人看護師がインシデントを起こしやすい時期は、夏ごろ

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春のうちは多くの場合、先輩がマンツーマンで見てくれていたり、何かと気にかけてくれているので、ミスをする前に先輩がフォローしてくれる環境にあります。

 

大抵の病院が夏休みシーズンに突入する頃には、新人看護師もだんだん独り立ちして仕事をしているところが多いので、この頃にミスが増える傾向にあります。

 

独り立ちして間もなくの頃は、より一層気を引き締めて、仕事に当たりましょう!

 

新人看護師がミスをしないためには?

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傾向を知ったら、あとは対策を立てるだけです。

 

人間ですから常に100%ノーミスで、というわけにはいかないかもしれません。

 

でも「医療の世界では、ほんの少しのミスが命に直結する場合がある」ということをよく肝に銘じて、常に100%ノーミスを目指して、出来る限りのことをしていきましょう。

 

やり忘れというミスを防ぐためには?

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「他のことに気を取られている間に、やるのを忘れていた!」というミスは新人さんにありがち。

 

最初のうちは、1日のスケジュールを立てるのも大変ですもんね。

 

スケジュール通りに行かなくなると建て直しがきかず、慌ててしまって余計にミスが出やすくなります。

 

情報収集のメモは常に持ち歩き、逐一チェックするように癖を付けましょう。

 

何か予定通りに運ばなくなった時にはすぐにそれを見て確認することで、慌てた気持ちを落ち着けることも出来ます。

 

そして、患者さんに何か頼まれたことは、些細なことでもすぐにメモを取るようにしましょう。

 

患者さんも気を遣ってくれて「後でいいから」とか、言ってくださったりするんですよね。

 

そういう後回しにしてもいい用事を、ついうっかり忘れてしまいがち。

 

メモを取るという行動をするだけでも、記憶に残りやすくなりますよ。

 

確認したつもりというミスを防ぐためには?

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うっかりミスを防ぐためには、確認行動が大切です。

 

でも「確認したつもりが、出来ていなかったミス」というのも実は多いのです。

 

目視だけの確認では視覚的情報のみとなってしまい、思い込みから見たつもりになってしまうことが良くあります。

 

少しでも自分の脳への記憶の情報を増やすためにも声出し指差し確認が重要です。

 

薬剤に関するミスを防ぐためには?

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先にも述べたように、新人看護師は「薬剤に関するミス」が多い傾向にあります。

 

点滴に限らず、内服薬を扱う際も確認作業は中断せず、集中して扱うことが大切です。

 

そのためにはいつのタイミングで、確認作業を行うか?どこでその作業を行うといいのか?を考える必要があります。

 

ナースコールが鳴りやすい時間帯は避ける、声をかけられやすいナースステーションのカウンターでは行わないようにするなど、確認作業を行う環境にも配慮した方がいいですね。

 

そして、基本中の基本ですが「初めて扱う薬剤は必ず調べること」はとても大切です。

 

たとえ医師が処方して、リーダー看護師が指示を受けたとしても、最終的に投与するあなたの責任をまっとうするためには、「最低限その薬がどんな薬で、なぜその患者さんには必要なのか?」を理解して、投与しなければいけませんね。

 

新人看護師のあなたがミスをして落ち込んでしまったときには

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医療の現場はとても厳しい世界です。

 

あなたももしかしたらインシデントを起こしてしまい、落ち込んだり、看護師向いてない…と凹んでしまうこともあるかもしれません。

 

ほんの少しの気の緩みだったり、思い込みだったり、見落としだったりが、後悔してもしきれないほどのことにつながる場合もあります。

 

でも、せっかく苦労して取った看護師免許です。

 

自分の免許は自分でしか守れません。

 

責任ある行動をとるためにも

ミスしちゃった、どうしよう、怒られる…

ではなく、まずは患者さんへの影響を考え、できることをし、次になぜミスをしてしまったのか?同じミスを繰り返さないためにはどうしたらいいのか?を客観的に、しっかりと振り返りましょう。

 

だれでもそういったミスや、ヒヤリとした経験はあるものです。

 

そうした経験をしっかり自分の中で反省し、今後の看護師経験に活かしていきましょう!

 

落ち込むだけでなく、真摯に受け止め、次に活かそうとするあなたをきっとみんな、温かく見守ってくれるはずですよ!

 

患者さんからも、周りのスタッフからも信頼される看護師になれるよう、がんばってくださいね。